FC2ブログ

日記ブログです。

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

現代っ子 マエリベリー・ハーンのラブストーリー

すがすがし

現代っ子 マエリベリー・ハーンのラブストーリーの、EDの補完SSを友人が書いてくれました。
本当にありがとうございます。
ネタバレに気をつけてください。



血が香る。
炎が上がる。
轟音が鳴り響く。

幾度も観てきた、争いの光景だ。
「彼」は、眼下で行われるソレを大きなため息と共に見下ろしていた。
争いそのものに苛立っているのではない。
生命である以上、どのような形であれ争いは避けられない、自分自身とて争いを幾度も経験した。
生命は移ろう、移ろいは変化である。
変化は利益や善を齎し、不利益を悪を齎す。
故に、其の間に争いが起こるのは必定。


--永久に変わらぬものなど無いのだ。--


前人類は月と言う生命のいない世界に逃げ込む事で変化から距離を置いた。
しかし、彼らとて変化から逃れた訳では無いのだ。
世界は彼らのみで構成されている訳では無い、他の何かがいる限り、変化はいずれ訪れる。

変わらぬものなど無い、当たり前の事だがそれを理解できるものは少ない。
ある者は菩提樹の下でそれを悟った、ある者は信じる事で変化への恐怖を呑み込んだ。
では、あの女はどうであっただろうか。
自分の前にひれ伏し、あの地に平和を齎すと誓った女は。

人の身なれば大きな変化の訪れた時代であった。
「彼」はその時代を受け入れていた、巡る行く力を創る存在であったが故に、それがどんな時代であれ当たり前の事だと考えていたのだ。
だが、あの女はそれを受け入れられなかった。
女は妖怪であった。
人という存在に依る者でありながら、それ故に移ろう事ができない存在。
だから、自分たちを否定しない世界が必要だった。
小さな土地に、夢(幻想)と現を選り分ける境界を創って。
巡りゆく力を知る「彼」はその事に激怒した。
所詮が問題の先送りである、結局の処、女の我儘によって造られた箱庭である。

そんな事で、人間と妖怪達を閉じ込めるのかと。
人にとって移ろう事を封じられるのは死んでいる事に等しい。
恐怖の化身たる妖怪は、型にはめられては枯れてしまう。
どちらも生きながらにして殺す
人にとっても妖怪にとっても益にならず、不易すらない。

お前は、そんな愚かな世界を創るのか、賢者などと嘯きながら、お前は何も分かっておらぬ。
いいえ、私は創って見せます、平和な世界、妖怪達の楽園、幻想郷を護って見せます。

女は荒れ狂う「彼」を前にして一歩も引かずに嘆願した。
最終的に「彼」は折れた。
譬え個人の都合であろうと、最後まで貫き通そうとするならば信念である。
人間ならばエゴというかもしれない、しかし、何かを動かしたのは常にエゴなのだ。
その果てが、停滞という何も生み出さぬ境地であったとしても、女の行動は理想の為の信念であった。
ならば、その信念を見届けよう。いかなる結末なのか、一縷の望みをかけて。
それが、幻想郷の神たる「彼」の決断であった。



幻想郷は燃えている。
人も妖怪も、何もかも死に絶えて。
どちらが生き残る事になっても未来など無いだろう。
人は余りにも永く狭い場所に閉じ込められていた。
外に出ても居場所などあるまい。
妖怪はその意義をとっくに失っていた。
今の妖怪共……人間たちのいう処の都市伝説の存在に太刀打ちできないだろう。

永久に続くものなど無い。
一つの恋が悲劇を招き、そして一つの恋が終わりを齎した。
それが、命なのだ。
誰かを愛するという美しいことさえ、その結果が良き事とは限らない。


もはや自分が幻想郷を見守る理由もない。
「彼」は迷わず天を目指した。月に戻って、新たなる時代に生きるつもりであった。
ふと、地上に目が向く。
そこには女が居た。
隣には男がいて、幸せそうで、間違いなく幸せなのだろう。
かつて移ろえなかった賢き女の、今は移ろえる愚かな女の姿だった。
「彼」は、微笑む。
どこにでもある、当たり前の幸福。
大きな嘆きで一つの地を満たして得た幸福。
しかし、それでも

--私はお前達を寿ごう--

命は巡るのだ。
嘆きもいつか誰かの幸せの糧になる日が来るのだろう。
死にゆくものへ生まれてくるものへ

龍神は一声大きく吠える。
誰にも聞こえないその声は、だがしかし、全ての者にとどいていた。
スポンサーサイト
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment form













管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

学

Author:学
東方シリーズ二次創作RPGを作成しています。

manabunisikiあっとhotmail.com

プラモ・ガンプラ完成品投稿サイト【MG】

ツイッター
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。